ギガ使い放題や5Gの普及に伴い、テザリング機能を利用して自宅や外出先でも、自由に仕事ができるようになりました。
ランサーズのフリーランス実態調査2021によると、2017年をピークに減少傾向にあったフリーランスですが、2021年には約600万人増加しています。
また、働き方改革で国が副業を推進していることもあり、様々な働き方を選択できる時代になっているのです。
そこで今回は、意外と知らない「副業とフリーランスの違い」をご紹介します。
「今の仕事以外にも、働くことに興味がある。」
「この先独立したいけど、副業とフリーランスでどう違うんだろう?」
と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
副業とフリーランスの違いは?メリット・デメリットも解説
副業とフリーランスの違いがイマイチわからない、という方も多いのではないでしょうか?実は、私もそうでした。
まず最初に、「副業」と「フリーランス」、それぞれがどのような働き方なのか、解説していきます。
しかし、調べてみたところ、どちらにも明確な定義というのは無いようです。だから、この記事では、厚生労働省の見解をもとに、副業とフリーランスを紹介していくことにしました。
厚生労働省が出している「副業・兼業におけるモデル就業規則」には、下記のように記載があります。
“ 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。 2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該 業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は 制限することができる。”
モデル就業規則について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
簡単にいうと、副業は、本業となる会社に勤めながら、勤務時間外に他の会社に従事することです。
次に、厚生労働省ではフリーランスについて、下記のように記載しています。
“「フリーランス」とは法令上の用語ではなく、定義は様々であるが、本ガイドラインに おける「フリーランス」とは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指すこととする。”
・フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
こちらも簡単にいうと、フリーランスとは、会社と雇用契約を結ばず、業務委託契約のみで自由に仕事を行うことを、本業としている方です。
ちなみに業務委託契約とは、人手や専門スキルを必要とする企業や依頼主が、一部の業務を依頼し、その際に結ぶ契約のことを指します。
ちなみにですが、今は「副業フリーランス」と呼ばれる働き方もあります。
企業に勤めながら、個人事業主としても独立し、オリジナルの商品・サービスを販売する。また、業務委託で他企業の案件を受け、収入を得るなど本業の業務時間外にフリーランスとして活動をしている人を指します。
副業フリーランスについては、こちらの記事をご覧ください。
このように、今は多様な働き方が出来る時代になっているんですね。
私も始めは、「副業?フリーランス?何が違うの?」という感じで調べ始めました。
自分の働き方を、今回の定義で説明してみると、以前はパートで医療事務をしながら、副業でWeb広告の在宅ワークをしていました。今は、パートを辞めて在宅でフリーランスとしてお仕事をしています。
では、副業とフリーランスについて、どんな働き方を指すのかがわかってきたところで、それぞれの違いを大きく3つに分けてご紹介します。
やはり1番大きな違いは、本業となる仕事があるかどうかです。
副業は、勤務時間以外の時間を使って働く事になるので、体力も必要ですし、自分の時間を削って仕事をすることになります。
その点フリーランスは、1年365日、自分の働きたいときに好きな場所、好きなタイミングで仕事ができるということですね。
忘れてはいけないのが、税金の納め方の違いです。
フリーランスは必ず1年間の所得や経費を計算し、税務署に確定申告を行う必要があります。副業も条件次第では確定申告の必要がありますので、それぞれ違いを見ていきましょう。
会社の給与所得は、年末調整をしてもらえるので、副業の所得が20万円を超える場合には、自分で確定申告をする必要があります。20万円を超えなければ、確定申告の必要はありません。
ただし、医療控除、住宅ローン控除などの各種控除を受けたい場合や青色申告の特例を受ける場合は、副業の所得が20万円以下であっても、確定申告をしましょう。
フリーランスの場合、年末調整はありませんので、必ず確定申告をします。会計ソフトを使うなどして自分自身でやるか、お金を払って業務委託する方法で行いましょう。
確定申告についてはこちらの記事も参考になりますよ。
健康保険や年金保険などの社会保険料の負担も、副業とフリーランスでは大きく違ってきます。健康や将来のお金といった、とても重要な部分ですので覚えておきましょう。
正社員の方は、会社で健康保険や厚生年金に入っている方がほとんどでしょう。副業をしていても、基本的には本業の社会保険を継続します。
多くの会社が半分を負担してくれているため、同じ金額を稼いでいるフリーランスよりも、負担金額は少なくなります。
旦那さんの扶養に入っているパートの方が、副業をしている場合は、社会保険の130万円の壁を意識しておきましょう。超えてしまうと、ご自身で健康保険や年金を負担する必要が出てきますよ。
扶養の壁については、こちらの記事も参考にしてみてください。
フリーランスで扶養に入っていない方は、大きく4つの健康保険の選択肢があります。
年金は厚生年金ではなく、国民年金に加入することになります。
会社に勤めていると、社会保険料の半分程度を会社に負担してもらえますが、自分だけで払うようになると年間で約30万円の出費となりますよ。
税金や社会保険に関することは、詳しく書かれたこちらの記事も参考にしてください。
ここからは、副業とフリーランス、それぞれの働き方について、メリット、デメリットを順番にお伝えしていきます。
まずは副業のメリットからです。副業には、収入が増える以外にも、次のような魅力的な点がたくさんあります。
独立してフリーランスになって初めて「今日から仕事を始めます」と言っても、お客さんがいなければ収入が得られません。
副業であれば、本業で収入をある程度維持した状態で、独立後の収入に困らないよう、人脈を作ることができます。
本業以外の時間を有効活用できる点で、副業はとても魅力的です。
収入が増えることはもちろん、自分のやってみたかった仕事に挑戦してみる、といったこともできますよ。
将来自分がやりたいことを、見つけることができるかもしれませんね。
本業の知識や経験を活かせるような副業をすれば、本業に役立つ知識やスキルを向上させることができますよ。
副業で稼ぎながらスキルアップができれば一石二鳥!本業にも還元でき、大きなメリットになるでしょう。
副業には、メリットばかりではなく、デメリットもあります。
デメリットもしっかり意識して、リスクを回避しましょう。
本業がありますから、単純に労働時間は増えてしまいます。
休息の時間を削ることになるので、しっかり休みながら無理のない程度でやる必要がありますね。
上記とも関係しますが、副業で疲労困憊になってしまうと、本業の業務に支障が出てしまいます。
寝不足や疲労が続くと、集中力も低下し満足なパフォーマンスが出来なくなってしまうので、時間管理・健康管理を心掛けましょう。
働き方改革で、副業が推進されるようになったとはいえ、まだまだ全ての会社が副業を良しとしているわけではありません。
自身の会社の規定がどうなっているのかも確認してから、始める必要がありますよ。
次は、フリーランスのメリットとデメリットをご紹介していきます。
まずは、メリットからです。副業との違いも意識して、ご覧ください。
私自身も感じていますが、フリーランスの1番の魅力は自由度の高さではないでしょうか。
通勤する必要もなければ、何時間も拘束される必要もありません。
自宅で、カフェで、旅先で、自分の好きな場所で働くことができますよ。
フリーランスは個人で仕事をするため、人間関係の煩わしさに悩まされることは少ないでしょう。仕事にはクライアントがいるので、最低限のやり取りは必要です。
ですが、会社員のようにそりの合わない上司や部下、職場内で発生する人間関係のトラブルなど、常にその場にいなければいけないことはありません。
苦手な方とは、少しずつお仕事をしないようにできるのも、フリーランスの魅力でしょう。
会社員だと、どんなに頑張ってもお給料や時給の額は、決まっていますよね。
しかし、フリーランスの場合は、頑張れば頑張っただけ自分の収入になります。月の収入が、数百万円や数千万円というのも夢ではないんですね。
魅力的なフリーランスという働き方は、多くを自己責任で決められると同時に、リスクへの対処も自分で考えなければなりません。
フリーランスで働くデメリットとは何か、解説していきますね。
収入が天井知らずとはいえ、仕事がなければ収入は0円です。家賃や電気代はかかるので、むしろマイナスになることも。
会社の様に、仕事が与えられるわけではありませんから、自分で仕事を獲得していく必要があります。計画的に活動をしないと、月の収入が安定しないことは十分考えられます。
会社員と比較すると、健康保険や年金の支給額など、社会保障の内容が劣ります。
例えば健康保険の場合、会社員は病気やケガで働けない時には、雇用保険から傷病手当金を受け取れます。しかし、フリーランスは働けなくなっても、十分な保障を受けられません。同様に、雇用保険の産休・育休中の給付も無いので、フリーランスのほうが社会保険的には不利だと言えるでしょう。
また年金に関しても、フリーランスが加入する国民年金は、厚生年金に比べ受給額が少ないです。その分、iDeCoなど個人年金の上限金額は多いので、自分で準備しておきましょう。
会社員だとしなくてもいい、社会保険や税金などの手続きを、全て自分でしなければなりません。
確定申告では税務署に書類を提出したり、住民税や所得税などの納税手続きも必要になります。人に任せるという手もありますが、そうすると余分にお金はかかってきます。
副業とフリーランス、それぞれメリットとデメリットがあり、どちらの働き方を選ぶかは、ご自身が何を重視するか次第です。
私の場合は、副業からフリーランスになり、今は良かったと感じています。
1番は、休みを自由にとれることです。下の子が病気がちなこともあり、パートをよく休んでいたので、上司や同僚に気を使いながら「休ませてください」の連絡をしなくていいことがとても嬉しいです。
子供に対しても「なんでまたっ!」というイライラもなくなり、体調が悪いときには何も考えず、家で一緒に居られることが幸せです。
「副業とフリーランス、どう違うんだろう」
「どっちがいいんだろう」
と悩んでいらっしゃる方が、自分に合った働き方を見つける参考になれば嬉しく思います。
この記事を書いた人
三木 一実
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