ワーケーションとは、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を合わせた言葉です。旅先など休暇に適した場所でのんびりしつつ、仕事もすることをいいます。
在宅ワークを推奨する会社も増えて、「仕事は家じゃなくてもOK」、「どこかで気分転換をしたい」と考える方も増えているのではないでしょうか。
その一方で、小さなお子さんがいるママは、「興味はあるけど、子連れだと仕事できなそう…」なんて考えて、断念していらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、2022年8月に3週間、2人のこども達とワーケーションをしてきたママライターが、子連れワーケーションの準備やポイントを、理想と現実を交えながらお伝えします。
子連れワーケーションの理想と現実から、3つの心得をフリーランスママがレポート
結論から言うと、こども向けのアクティビティや遊ぶ場所、仕事をする空間を確保しておかないと、仕事になりません。これは、行く前から薄々、想像がつきました。
しかも、今回は夏休みを利用して3週間ちょっとと長めでしたので、思い切って仕事を通常の3割ぐらいに減らすことにしました。フリーランスという働き方の利点を活かし、私も半分は夏休みにすることにしたのです。
結果的には、出費が増えて、収入が激減した月になりましたが、こども達と楽しく過ごした時間はプライスレス。
子連れワーケーションの理想は、平日はこども向けのアクティビティを存分に楽しんでもらい、親はガッツリ仕事をしたいところ。でも現実は、仕事は半分から3割程度できたらOKという時期じゃないと難しかったです。
ここからは、子連れワーケーションのために準備したことを紹介します。私は、夏休みを利用したので3週間と長めでしたが、現実的な2泊、3泊〜1週間程度の短期の場合についても、触れていきますね。
ワーケーションに行こうと思ったら、まずは時期を検討しましょう。
などのパターンが考えられますね。
のんびりしたいのであれば、1日は休暇を取得して、木・金・土・日の3泊4日はいかがでしょうか。木曜は移動して午後は仕事、金曜は仕事と遊びで半日ずつ、そして週末はのんびりしつつ遊ぶプランです。
私達は、4月ごろ「海の見える場所で生活してみたいなぁ」という私のつぶやきを、夫が拾って「じゃあ、夏休みに行ってみる?」と、時期が決まりました。
こども達が小学4年生と2年生のため、まだ塾通いも無かったこと、夫が出社の必要が無い仕事をしていたことが、重なって実現できました。
その後、夫がフルタイムで別の仕事も始めることにしたので、今後は週末や連休で行くことになりそうです。
滞在先は、現地でこども達がどう過ごすのか?親子で何をして過ごすのか?を考えて、決めましょう。
簡単なのは、ホテルや旅行会社の提供しているワーケーションプランの利用。仕事に必要なネット環境やスペースはもちろんのこと、こどもやファミリー向けのアクティビティや食事がパッケージやオプションで用意されています。パパやママも家事や育児から解放されて、仕事時間を確保できますね。
その他、移住や地域の活性化を期待している自治体が企画する、親子ワーケーションのモニターツアーなどに参加してみるのもよさそうです。
「ワーケーション ◯◯」と地域名で検索したり、気になるホテルのワーケーションプランをチェックしたりして探せます。下記のような専用サイトも。
私は、Googleアラートという、Googleが提供するWEB上の新着情報を教えてくれるツールに「ワーケーション 募集」というキーワードを登録しています。ワーケーションのモニター募集の情報が自動的にメールに届いて便利ですよ。
私達は、沖縄県の離島・石垣島に行きました。6年前の冬に旅行したときは、こども達が4歳と2歳だったので、マリンスポーツはシーカヤックだけでした。
でも2人とも泳げるようになった今年なら、海に入ったりバナナボートやシュノーケリングを思いっきり楽しめると考えたからです。
宿泊は、市街地に近いマンスリーマンションを選択。仕事場とこどもが遊ぶ部屋を分けるために、広めのリビングがある3LDKを借りました。生活に必要なものは揃っていて、自炊にはなりますが、光熱費込で1泊1.5万円と、ホテルよりも安く滞在できたからです。
次に短期でいくときには、ホテルでのんびり過ごしてみたいです。
時期、場所が決まったら、あとは交通手段も決めて手配をしていきましょう。
近場なら自宅から車や電車、遠くなら新幹線や飛行機に乗って、現地で送迎バスやレンタカーで移動など。
ママとこどもだけなのか、パパも一緒に家族で行くのかによっても、移動方法が変わる場合もありますね。
私達は電車で羽田空港へ行き、そこから直行便で石垣島へ。宿泊は5月に探して手配したのですが、うっかりレンタカーの手配を忘れました…
石垣島はハイシーズンになるとレンタカーが不足すると聞いて、あわて調べたときには、既に手遅れ。長期で借りることはできませんでした。そのため、空港から宿泊先まではタクシーで移動し、滞在中は日帰りでレンタカーを借りられる日に、遊びに行くことにしたのです。
皆さんは、そんなことにならないよう、しっかり準備してくださいね。
家族でワーケーションをしてみて、大切だなと思ったのは、「過ごし方のイメージを家族で話し合う」こと。実はわが家、これが抜けていたのです!
【それぞれのワーケーションイメージ】
こども達 | 夏休みのためほぼ遊び気分。 「宿題、持ってかないとダメ?」なんて言っていたくらい。 |
私 | 前述の通り、仕事半分、遊び半分のつもりでした |
夫 | 仕事が8割で遊び2割。 「3週間もいるのだから、普通に働くでしょ」と、現地で言われたときは衝撃でした。 |
過去に私は、旅行に仕事を持っていき、後悔した経験があります。ホテルで、こどもや夫が寝ているのを起こさないよう、そっとパソコンを打ちながら「夏休みぐらい、仕事断ればよかった…」と、なんとも言えない気持ちになりました。
だから、家族みんなが楽しく過ごすために、話し合ってスケジュールすることをおすすめします。
現地で話し合った結果、「減らせない仕事もあるよね…」と、夫の仕事中に私とこども達で遊びに行く日を作りました。
お土産屋さんやスイーツ店を散策したり、近所のカラオケやダーツに行ったりしました。こども達が初めてのダーツにハマり、その後家族でも何度か行きました。どんどん上手になっていくのが、とても面白かったです。
ここで、子連れワーケーションをするときのポイントを3つの心得としてまとめました。ワーケーションを公私ともに充実したものにするために、ぜひ参考にしてくださいね。
旅先では想定外のことも起こりがちなので、ワークよりもバケーションでのんびりすることを優先しましょう。「旅先で、リフレッシュしながら仕事も少々。」ぐらいの余裕があるときに、実行することをおすすめします。
私の場合は、家族4人のため、夫と融通しあって仕事とこどもの対応を手分けできました。でも、周囲で多いパターンはママと未就学児1人。
せっかく出かけたのに、こどもは「つまらなかった」なんてことが無いように、こどもを預かって遊ばせてくれる施設や、アクティビティを調べて申し込みましょう。
仕事以上に、親子での遊びを充実させ、その土地でしかできないことを一緒にしましょう!小中学生であれば親がどんな仕事をしているのかを話したり、将来の夢を聞いたりする時間をとってもいいかもしれませんね。
私の場合は、一緒に料理を作ったり、こども達が夏休みの終わりに手作り品を売るフリマを予定していたので、品物作りを手伝ったりしました。普段よりもゆっくり、友達の話も聞けて、楽しかったです。
最後に、この夏のワーケーションを振り返って、どうだったかを家族に聞いてみました。
石垣島に1ヶ月住んだのは面白かったし、もっと長くいたかった。特に楽しかったのは、SUP(サップ:Stand Up Paddleboard)で、初めてだったけどパドルで漕いで進むことができた!あと、図書館にも読みたい本がいっぱいあったから、また行きたい。
マリンスポーツがおもしろくて、SUPが一番で、水上バイクに引っぱってもらって、海の上をバーっと走るのも楽しかった。(私が)家族で一番目がいいから、星空ツアーでたくさんの流れ星をみることができて、うれしかった。
思い切って、行って良かった。離島に長期滞在してみて、インターネット環境とパソコンがあれば、仕事は全く問題ないことがわかった。
家族で海で遊んだり、西表島や竹富島にいったり、東京ではできないことが、たくさんできました。3週間、台風にもあわずラッキーでしたが、想像よりも暑過ぎて、気軽に外遊びができなかったのが残念。
こども達が近くの図書館やダーツ、滞在先にあった自転車を気に入ったので良かったけれど、こどもだけで預かってくれる場所があれば、もっと面白い経験がができたはず。次は、そういうこともさせてみたいな。
3週間はちょっと長かったかな…?と思っていたので、聞くのは怖かったのですがw、それぞれ楽しく過ごせたようで、良かったです。
うん!次は沖縄本島に行って、パラセーリングをしてみたいな。
もっと色んなところに行って、楽しいことや美味しいものを食べたーい!
これからも、機会を作って家族で色々な地域に滞在して、ホテルではわからない現地での生活を楽しみたい。
またの機会があるようで、安心しました!
私は昨年、逗子市の主催するワーケーションツアーに1人で参加しました。大人だけの異業種交流のようなワーケーションも楽しかったけれど、家族とのワーケーションもまた計画していきます。
ここまでお読みになって「子連れワーケーションなんて、現実的なの?」、「仕事になるの?」と思っていた、ワーケーションのイメージは変わったでしょうか。
テレワークが普通になり、コロナも落ち着いてGo Toトラベルも再開されました。家族でワーケーションに行ってみたいなと思った方は、まずは近場またはご実家の近くなどに行ってみるのもいいかもしれません。
この記事を書いた人
鈴木恵理