今日は広告コピーについてお話をしていきます。
以前、品川駅のサイネージで白い画面に黒い文字で【仕事は楽しいですか?】という広告が出て、炎上しました。
月曜日の朝、会社員が多く行き交う場所にその文言は、衝撃だったんですよね。
今回は、なぜ品川駅の広告は炎上したのか?
Web広告の集客コピーや審査の観点から、コピーの考え方を解説したいと思います。
広告のコピー〜品川駅の広告炎上から学ぶこと
品川駅で【仕事は楽しいですか?】という広告が出て、炎上したのをご存知でしょうか?
白い画面に黒い文字で柱に全面的に表示されていて、月曜の朝のサラリーマンを狙ったものでした。
引用:https://blog.inst-inc.com/shinagawaadvertising/
転職サイトの広告で会社員の方へ向けて「楽しくないなら、転職しようよ!」というメッセージが込められていました。
「問題提起をして、相手が何かを考える」広告という意味では成功してると言えます。
では、なぜ炎上したのか?を考えてみましょう。
皆さんは、何かしらの文章を読んで、気付きがあったりモヤモヤが残ること、ありませんか?
読んでいる人はどう感じるんだろう?という視点で、考えることが広告では重要です。
品川駅の広告は、「問題提起をして、相手が何かを考える」広告で、広告の機能としてはアリだったと思います。
いいことばっかりを言うのが広告ではないと思っています。
時には、危機感を覚えたり、行動換気されるような広告が必要だったりします。
でも、見る人が不快な思いをしたということで、感情面では嫌な思いをした人もいたと言うことです。
何がいけなかったのか?と言うと【仕事楽しみですか?】というコピーは、人によってとらえ方が異なる言葉になっています。
イントネーション次第で、大きく印象が変わるので、文字だけの広告だと意図が伝わらないので注意が必要です。
例えば仕事が楽しくないと思いながら、「仕事楽しみですか…?」と言われると、文句言われてるような気分になりませんか?
仕事が楽しい人からすれば「楽しいけど、何か?」と、特に何も感じないと思いますが、読む人によってとらえ方は人それぞれなんです。
白と黒という色の影響もありますし、ピンクや黄色だったら明るいイメージを持ちます。
白と黒の広告には、見ている人の感情が乗るのでプラスにもマイナスにも捉えられます。
それが炎上したということは多くの人がネガティブなイメージを受けたからですね。
この事は、SNS広告やオンラインの広告でもすごく気をつけなきゃいけないことで、自分は傷つけようと思って書いていないのに読んでる人が傷ついたら、それはダメな広告なんです。
広告には、審査でも細かい決まりがあります。例えば「個人的特質」というポリシー違反。
個人的特質とは、誰かを名指しして傷つけるような表現はNGということです。
こういったルールがプラットフォーム側にあるので、私たち広告を出す側も注意しなければなりません。
個人的特質とは例えば「太ってても大丈夫」のように、太ってることをネガティブワードとして位置づけて「太ってる人でもモテますよ」という表現です。
専業主婦でも大丈夫
とかだと、専業主婦を低く見ているイメージになるので、これもNGです。
伝える側は傷つけようと思ってないのに、相手は嫌な思いをすることがあります。
例えば「忙しい会社員でもできますよ」と、ポジティブなイメージで書いたとしても「何で私が忙しいと分かるの?」と捉えられる可能性があり、審査に引っかかる事もあります。
「忙しい会社員」をネガティブだと思う人が1人でもいたら広告の審査は通りません。
ネガティブ×あなた の組み合わせがダメなことが多いですね。
「背が小さい”あなた”でも大丈夫」というのは、背が小さいことはポジティブでもネガティブではないとしても「背が低いあなた」と名指しをされるとネガティブな印象を受ける人が多くなります。
”あなた”という言葉は強い表現になりやすいので、使用する際には注意が必要です。
占い師のように相手の心情を読み取ったような文章
という決めつけたような名指しは、オンライン広告では厳しく取り締まられています。
第三者に確認してもらうのもいい方法です。
「私はそんなつもりで書いたんじゃない」って思うかもしれませんが、どう伝わるかは相手次第です。
読む人が見て心がチクッと痛むようなことがあれば、その表現はもう使えない時代になっています。
良い集客コピーは、私たちの会社では「体のいい言い訳を用意してあげる」という風に伝えています。
例えば、「あなた美人になりたいですよね」って言われたら
本当になりたくても「うん」とは言いづらいですよね。
「うなづくのは、恥ずかしいな…」と思う人もいるということです。
相手にそう思わせてしまったとしたら、それは良い広告ではないです。
「社会貢献できるから、こういう仕事に就きませんか?」というように、ボランティアなど人のためになることには手を上げやすいです。
でも、「人のこと助けて、お金欲しいでしょ?」って言われたら手挙げたくないですよね?
だから、広告には皆さんが賛同しやすいような伝え方が必要になります。
「お金稼ぎたいですよね?」ではなくお金を稼いだ後のことを想像させてあげるとワクワクしてきます。
という表現をすると、「あぁ、そうかもね」と思えるような文章になります。
「お金欲しいんでしょう?」と直接的に書くのは、今はできない時代になりました。
言い訳を用意してあげるのは、すごく大事です。
「そんなに言うなら、クリックしてもいいかな~」というような気分を引き出すことが重要です。
本音を言うと、相手を怒らせてしまうので、本当のことは奥で言うのがセオリーなんです。
初対面の人に
って言われたら、嫌ですよね。
これが親や親友など、近しい人であれば納得しやすいんですが、広告は初対面なので最初から本当の事をズバズバと言ったり言い当てられたり、占いされたくない気分になります。
そこを気をつけて
と思ってもらえるといいですね。
オンライン広告では、相手が何を得られるか相手がどうしたいか、相手の共感を得るにはどうしたらいいかを考えてみましょう。
品川駅の広告の集客コピーが原因で炎上した事を元に集客コピーについて解説しました。
〇〇な人~?と言われて、恥ずかしくて手を挙げられないということもありますよね。
読む人の立場に立って、恥ずかしくないコピーを考えてみましょう。
いい広告とは、読む人がそうかもねと思えるような文章で、傷つかない広告です。
今回解説したポイントを元に、読む人の視点で集客コピーを書くと、すごく反応率が上がりますのでぜひ参考にしてみてください!
この記事を書いた人
野川 ともみ