毎日新生児の育児をしていると、その大変さに「育休明け、本当に職場復帰できるかな…」と不安になる方もいると思います。
特に初めて子育てをするママは不安ですよね。この記事では、育休後、職場復帰する際にどんな障害が出てくるのか、また育休後に退職は出来るのかについて書いていきます。
育休中・育休明けに退職することは可能?退職する際の注意点&無理のないおすすめの働き方
仕事復帰に向けて準備を進めていても、上記のような壁に当たり、努力はしていても、環境を整えられない可能性は十分に考えられます。育休後の退職は出来ないのでしょうか?
結論:育休明けでも退職はできます!
結論から言うと、育休明けでも退職することはできます。
ただ、育休は出産後の職場復帰を前提とした制度で、会社側は、新たに求人を出すことはせず、休みの分をまわりの人がカバーしてくれている状態です。
自分も出産前に働いていて大変さを理解している分、やっぱり辞めますとは言いにくいですよね。
ですが、子供を育てながら出産前と同じ様に働けるのか、よく考えて厳しいと判断できたなら、辞めるのは英断だと思います。
ただ子どもと朝食を摂って出社して、仕事をして迎えに行って…そのルーティーンをこなすことだけでも大変ですが、子どもが体調不良の際は出社が難しくなり、周りにサポートしてもらわなければなりません。
出産前の様に計画的に仕事を進めるには、かなりの工夫と、まわりの協力が必要です。
それでも上手くやっていく努力を続けられるのか…十分考えて出した決断なら、退職は自分だけでなく、会社にとっても良い区切りになると思います。
夫や両親がどのくらい育児に協力できるのかは家庭によって状況は変わります。
住んでいる場所によっても、利用できるサービスの種類は異なります。
環境を整えようにも、上手く行かないことはあるでしょう。
育児をしながら出産前と同じ様に働けないと思えば、無理をして職場復帰しなくて大丈夫です。
それは仕方のないことですし、職場復帰をしなければならないという法律もないのですから。
女性の社会進出が進められる様にはなってきましたが、出産を機に退職する女性はまだ多いのが現状です。
国立社会保障・人口問題研究所が行った「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」によると、第1子の出生前後で、46.9%の女性が、退職しているという調査結果が出ています。
半数近くの女性が、出産をきっかけに退職していることになります。
育休後に退職する人たちは、何がきっかけになって退職を選択するのでしょうか。
多く聞かれることを、経験を含めてまとめました。
私の知人の話ですが、職場復帰を目指して保活をしていましたが、育休期間中に入れる保育園が見つからず、職場に相談して半年育休を延長しました。
ところが、延長しても入れる保育園は見つからず、彼女はやむを得ず退職しました。
仕事を続けたくても、どうにもできない事もあります。
子どもの成長はあっという間で、見逃したくないと毎日カメラを向ける人も多いと思います。
仕事のために保育園に預ければ、自分が教えていないのに気が付いたら出来るようになっていたという事が多々出てきます。
それだけ、成長を見逃していると言う言い方も出来ると思います。
子どもとの時間を仕事より優先する決断は、価値があるものだと思います。
以前私は、子育てをしている人が少ない職場で働いていた経験があります。
子供の看病のために連続で休んだ日の翌日は、周りの風当たりが強かったですし、行事の為に休みを代わって欲しいと頼んでも、中々受け入れてもらえず苦労した事があります。
その職場にはそう長くはいませんでした。長く仕事を続けるには、職場の理解は欠かせません。
通勤時間が長くなると、子供にかかる負担は大きくなります。
特に公共交通機関を利用しての長時間の通勤は、感染症にかかるリスクを高めます。
電車を使って1時間半の通勤をしていた知人から、子供を保育園に預けて職場に向かう途中、保育園から体調不良の連絡が入り、出勤できないまま代わりの人を手配して子供を迎えに行ってしんどかったという話を聞きました。
迎えまでの時間が長くなるのも、具合が悪い中電車に揺られる時間が長くなるのも、子供にとっては負担ですよね。
子供が生まれて、全てが子供優先の生活になると、家事でさえ抜けが多くなります。
私は買い物に出かけても買い忘れが増えたり、洗濯したことを忘れて、次の日に洗濯しようとして洗濯機を開けると前日の洗濯物が入っていて愕然とすることがよくありました。
その状態で、さらに仕事もしなければとなると、かかる負担はかなり大きくなります。
なんとかやるしかないですが、覚悟が決まるまでに時間はかかりました。
育児に集中する選択肢が取れるなら、それだけでも大変ですが集中するのも、心と体の健康のために良い判断だと思います。
子供が成長していく中で、定期的に通院が必要な病気が見つかったり、自分自身が通院が必要な状態になることもあります。
そんな中でさらに職場復帰となると、体調を悪化させる可能性は十分あると思います。
心身ともに、健康な状態でないと働くことは難しいです。それが整っていないなら、回復を優先させるべきだと思います。
出産をきっかけに、状況は大きく変化します。
出産前と同じ状態で仕事に臨むことも難しいと思います。
育休中によく考えて、その上で続けられないと思ったのであれば、自分と子供を優先に考えて退職すると決めるのは、決して間違えていないと思います。
職場によって異なりますが、子供を保育園などに預けての出勤する負担を軽減するために、出勤時間を遅くしたり、退勤時間を早められる時短勤務制度や、ベビーシッターの補助等、福利厚生を設けている場合があります。
1度自分の会社の福利厚生を調べて、もし利用できるものがあれば遠慮なく利用していきましょう。
それで仕事が続けられるのであれば、自分にとっても会社にとってもプラスになるはずです。
育休後の職場復帰に向けて調整しても、どうしても折り合いのつかず、退職する場合の注意点についてまとめました。
会社側は、育休後に復帰するものとして準備をしているので、退職の意思が固まった時点で速やかに報告する必要があります。
休暇中でも、意思を伝えるためには出社をして、上司に時間を取ってもらい、対面で伝えることが一番望ましいです。
ですが、子どもを見ていてくれる人が見つからない等やむを得ない場合は、メールで済ませるのではなく、電話で伝えるのがマナーです。
また、手続きで出社する際は、お世話になった同僚や先輩に、あいさつを忘れないようにすることも大切な心遣いです。
雇用保険や健康保険から支給されている給付金関係は、退職後でも条件を満たせば給付されるものと、受給資格が無くなるものとがあるので注意が必要です。
それぞれ条件をまとめていきます。
<退職後の出産手当金の支給条件>
上記の条件を満たしていれば、退職後でも給付を受けられます。
<退職後の出産一時金の支給条件>
こちらも、上記の条件を満たしていれば、退職後でも支給を受けられます。
育児休業給付金は、雇用保険から2ヶ月に1回支払われます。こちらは、出産後も働き続けることを前提とした支給制度なので、出産前に退職の意思が固まっていたり、育休中に退職をすると、支給が受けられなくなるので注意が必要です。
<育児休業給付金の支給条件>
育休中に退職が決定した際は、退職日の前月までが支給期間になります。
一度給付された育児休業給付金は、当初の予定と異なり退職となった際、返還の義務は無いので安心してください。
産休中や育休中は、健康保険料などの社会保険料は免除されますが、退職後はそうはいきません。そのため退職後は、
どちらかを検討すると良いと思います。
任意継続被保険者制度とは、退職後2年まで退職前の健康保険の加入を継続できる制度です。
任意のため保険料は免除されませんが、在職中と同様に保険の給付を受けることができます。
ただし、出産手当金と傷病手当金は支給されないので注意が必要です。
今まで所属していた会社に復帰するのは難しいけれど、出産後も仕事を続けたいという人は多いと思います。
ですが、面接に行ったとしても、面接する側の会社は、採用しても同じような状況になればすぐ退職してしまうかもしれないと慎重になります。
それに、子供の体調不良などの緊急時に必ず欠勤するのかも心配する点だと思います。
新しく就職先を見つけるのは難しく、時間がかかると思います。
採用されるのは難しいかもしれません。
でも、働くことをあきらめなくて大丈夫です。
フルタイムで働くのではなく、副業という形で仕事を始めれば、子育ての空き時間を利用して、繁忙期等周りの状況に左右されず、自分のペースで働けます。
育休後も職場に復帰できることが望ましいですが、色々な状況を考えるとそれが難しいことは多いと思います。
でも、社会と繋がってやりがいのある仕事をしたい気持ちは、多くの人が持っていると思います。
勤務が難しいのであれば、新しくキャリアを積むきっかけだと考えて、子育てと両立してやっていけそうな副業を始めるのもひとつの手だと思います。
最近は、オンラインのみで学べる教材も多いですし、全てがオンラインで完結する仕事も増えています。
外に働きに出なくても仕事が続けられていた実績があれば、再就職が可能になった際の強みになります。
何より、自分に自信が持てますよね。
結論から言うと、育休取得後の退職は可能ですが、育休中に自分の分の仕事をカバーしてくれた人たちに対して、きちんと理由を明確にして、感謝の気持ちを示す姿勢が大切です。
自分と生まれてきた子供が幸せに生活をしていくためにはどうすれば良いかを優先して将来のことを考えて良いと思います。
退職したことが自分にとってもマイナスにならない様に、新しく副業に繋がることを学び、出産が新しいスタートのきっかけになると良いなと思っています。
この記事を書いた人
阿久津 妙